鴨江の家

地形を生かした眺望の良い家

静岡県浜松市の住宅街に設計した夫婦+ネコちゃんの為の住宅。
ラグデザインアンテナショップ「oriori gallery」に照明器具を見にいらしてくれたご夫婦と私が出会い、住宅の話に繋がり土地探しから始まった。
建設地は建て替えるには擁壁の作り替え費用が数千万要すると、皆が諦めていた状態の築60年の中古住宅付きの場所。高台で北・東の眺望が良いこの場所をご夫婦が気に入り、リフォームを希望された。耐震性など調査した結果、思い切ったプランを基に建て替えをお勧めした。それは通常ならば南面を庭にするところ、眺望の良い方向が北・東方向をとらえて建物を南隣地いっぱいに寄せる配置した提案だった。
建築主は建築や北欧家具などが好きで私のファーストプランを直ぐに理解してくださった。
お二人の要望はプライベートを重視し、シンプルな和風（木材を生かした）・ネコと住む・好きな家具・照明器具とのバランスを大切にするなど多岐にわたった。
そこで私は西面ファサードの切妻屋根にしてお蔵を想像させ、５尺ある大きな軒を３方配置し、実用と安心感を担保した。リビングは眺望の良い北・東面に大きな引き込みの窓と障子戸を付け、開放感と籠り感を併せ持たせた。リビングからネコちゃん部屋が見えるように仕切り窓を設け、日々清潔に共存できるような間取りに。2階にある寝室脇には眺望室を設け、天気の良い日には長野県の山々が望める特等席になった。
照明計画はご夫婦お気にいりのデンマーク製louis poulsenを採用。ペンダント・ブラケット・テーブルライトでリビングダイニングは構成され、家の中のみならず、窓の外の灯りとも繋げ、暖い光と共に暮らしてもらいたいと考えた。

インテリア好きのご夫婦と共に楽しみながら理想の家を完成させることができる道程、建築冥利に尽きる「鴨江の家」であった。