完成からまだ三ヵ月しか経っていないというお宅に足を踏み入れた瞬間、広いリビングから幸せのオーラが漂ってきた。リビングルームを包み込むようにさんさんと日光が差し込んでいたためだろうか。
「午前中はリビング全体に陽が当たるのでとくに気持ちよく過ごせます。『明るく過ごせる家』というのが要望のひとつだったので非常に満足しています」
渡辺さんはあるメーカーで設計者として働いている。初めてのマイホームをラグデザインで作ることになったきっかけは、以前、施工を依頼したという仕事仲間から「ぜひ!」と勧められたからだ。
「最終的な決め手は社長の伊藤さんの人柄が印象的だったからです。というのも最初に打ち合わせに伺ったとき『気が向いたらぜひお願いします』みたいな感じでぜんぜん営業してこないんですよ(笑) 普通、住宅の相談に行くと凄い勢いで営業されるものじゃないですか。でもそこが逆に信頼できるというか、この人なら自分たちの要望をちゃんと聞いてカタチにしてくれそうだと思ったんです」
渡辺さんはこの家を作るにあたって「とことんリラックスできる家」というのをテーマにしたという。一階のフロアをタモ無垢材のフローリングにしたのも裸足でくつろぎたいという意図によるものだ。
「まず、妻と新居に盛り込みたい具体的な要素を出し合ってみたんです。その結果、僕は新婚旅行で訪れたニュージーランドの山小屋のような開放感のある家、妻はみんなでゴロゴロできる広いリビングのある家というのが希望だったんですね。
このふたつを煎じつめて考えると、つまり「リラックス」ということなんじゃないかと。ちなみに山小屋のイメージは高い屋根として反映されています」
その屋根には大きな天窓が付けられており、夜になればそこから月が望めるという。満月の夜には床に家族全員で寝ころんで空を見上げて過ごすこともあると渡辺さんは笑った。
リビングからダイニングルーム、書斎、キッチンは仕切りなしのワンフロア。キッチン横の戸を開ければバイクガレージへとつながっている。ここにはかねてからの趣味であるモトクロス用のバイクや通勤用バイクが保管されているのだ。
「当初、バイクガレージは家と分離した場所に建てる予定だったのですが、やはり好きなものはすぐそばに置いておきたいと思ってリビングから地続きでアクセスできるようにしました。朝は玄関を使わずここから出勤ですね(笑)」
「この家に住むようになってから、部屋に絵や写真を飾るようになったのも自分にとって大きな変化です。もともと登山やオートバイなどアウトドアっぽいことが趣味だったので、あまりそういったことに関心がなかったのですが、細部まで美意識が行き届いた家に住むと感性が刺激されるんでしょうね。
インテリアに使えそうな小物や植栽を探しに出かけるのが最近の休日の楽しみになっています」
やっぱり渡辺さんの家のリビングルームには沢山の幸せが詰まっていた。